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2017/10/15

大気と地形の前意識 / 三浦秀彦展

大気と地形の前意識 / 三浦秀彦展
2017年10月15日(日)ー29(日)


これまでインスタレーションを中心に、「大気」と「地形」に関係する作品をつくってきました。「大気」と「地形」は、意識の中心にはなく周縁にあるにも関わらず、常に心理や行動に影響していることを体験を通して気づき興味を持ち続けています。
気象現象や天気、気象現象や天気、肌で感じる風や気温、大気の振動である音、部屋の響き具合、微かな傾斜に感じる重力、坂道の記憶など、切っ掛けがあれば意識の表層に現れますが、大半の部分は深く意識しないまま受け取り、そして反応しているものです。そのような意識と無意識の双方にまたがる領域の意識は「前意識」と呼ばれています。

ドローイングを描くとき、何を描くか始めに設定することはありません。手を動かし、目の前で起きている現象への好奇心のみが、描く事を押し進めます。紙に傷をつけそこに色をしみ込ませてみたる、画面上に水たまりをつくったり、絵の具のついた紐を画面に無造作に投げつけたり。利き手ではない左の手で描いたり、目を使わずに描いたりします。それは一見無意味のように思えますが、自分でも驚くような出来事に出会う機会を増大します。結果的に画面上の出来事は、ストカスティックに進行してある収束を見ます。改めて自分でその定着したドローイングという投影物を解釈すると、それは「大気」り「地形:の間食が共通してあることに気づきます。顕像化する前のイメージ、様々な可能性が未決定のまま多重露光された「前意識」としての像を生け捕ることを目指しています。








【三浦秀彦】
1966年岩手県宮古市生まれ。1990年代より地平線や地形、大気をテーマに身体性やインタラクションを意識したインスタレーションの制作と発表を続ける。
96年「最も遠くにある音に耳を傾け、それに音をつけ加えてみる。」Gallery Canolfan(名古屋)
01年「大気の地形にそって」Gallery Art Space(東京)、
04年「等高線を辿って」日本科学未来館(東京)
04年「Tube / Cave」BankArt馬車道(横浜)
12年「花をうつす、いきられた部屋」旧柳邸(横浜)
14年「Sound Vessel」(MEDI-ARTz ZUSHI 2014 出店作品)などがある。

1990年 千葉大学工学部工業意匠学科卒、1992年同大学院終了。ヤマハ株式会社デザイン研究所勤務後、1997年渡英、ロイヤル•カレッジオブアート(RCA)ID&Funiture(MA)コースでロン•アラッドやアンソニー•ダンに学ぶ。2000年クラウドデザイン設立。
プロダクト、家具、空間、インタラクション等のデザインの実践と実験を行い、日常の中になる創造性や意識、モノと場と身体の関わりについて考察している。

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